音とは「響き」であることを実感できる「無響室」

新宿の初台、東京オペラシティ4FにあるNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)。ここにはいろんなアートの展示があるのですが、その中に「無響室」という部屋があります。天井や床、壁に音を反射しない特殊な材を用い、文字通り音の響かない部屋です。
実際の生活において、音がまったく響かないという環境はありえず、発せられた音は、常にどこかに反射して響いています。人はこの音の反響によって空間を把握し、知覚のためのさまざまな情報を無意識に得ているのです。
無響室ではそれらの情報が一切なくなりますから、まずとまどいます。不安になります。人によっては圧迫感を感じたり、酔ったようになることも。パンッと手をたたいてみても、音は響かず、妙な感覚が残ります。しゃべろうとしてもうまくしゃべれない場合もあるでしょう。二人で入室すると隣の人の声が片方の耳には聞こえるのに、反対側の耳には全く聞こえないというおもしろい体験もできます。
人の知覚が、いかに音の響きに頼っているかを体験できるおもしろい展示です。時期によってはインスタレーションが行われていることもあります。車内はフルデットニングで響きを通します。音の通り道を整えるフルデットニングはカーオーディオ専門店がおすすめです。

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